Utsulife、うつと生きるを始めたわけ
今の自分に「興味を持つ」力があれば
うつの人には「興味が持てない」「趣味をする気力がない」と言う人が多くいると思います。それって、仕方ない事なので、もし周囲に「釣りが好きだったんだから、たまには釣りでも行こうよ」とか言っても空返事しか帰ってこない事があります。これ許してあげてください。多分、釣りに行きたい気持ちは何処かにあるんです。けど、釣りに行くための工程や準備、後始末などなど…ほぼ無意識に「面倒くさい」という思いが買ってしまっているのです。
だから、この投稿を読む人で、今、その状態なら読む必要は全く無いです。
ただ、もし「少し趣味を再開しようかと思っている」とか「今できそうな趣味を探そうかと思う」あるいは「趣味とか勉強?興味あるよ」と言う人には読んで欲しいなぁと思います。そして、周囲に患者さんがいれば、参考にしてみてください。
急進期の間は「興味が持てない」
急進期の間、私の場合、ほとんど「煩悩がない」と言える状態でした。
・寝ること
・話すこと
・人に対する興味
・食べること
・飲酒
・外出
などなど、健常なら当たり前にやるようなこと、生理的に求める事すら恐怖や面倒臭さが優先して、避けたい事になっていました。唯一あったのは、神社仏閣に行くと言う以前からの趣味です。これも、以前なら「歴史的な興味が」とか「札所巡りが」と言う目的意識が何処かにあったのですが、それよりは「辛さを少しでも軽減できるなら」と言う方向に変わっていました。
だから、趣味と言うより民間療法に通うようなものですね(😁)。
奥さんとの会話も「口を開く」と言う行動が億劫でしたし、できるだけベッドに横たわっていたいと思っていました。テレビも見なくなりましたし、集中して見ると言う行為自体が辛いのです。
こんな人に「趣味を持て」「興味のあることをやれ」と言うのは酷ですよね。放電しきったスマホを幾らタップしても画面がくらいままなのと同じで、放電しきった人に何かをやれと言われても…それが、どんなに簡単と思うような事でも辛くて仕方ないのです。
だから、この期間は静かにしていることが最大の栄養補給になっていると言って良いのではないかと思います。
興味が持てるようになってきた時に
これが回復期に移行してくると、元の趣味が復活してきたりもしますし、元の趣味では無いことに興味が持てるようになってくると思います。これが大切なポイントです。
例えば私の場合、毎年、ツール・ド・フランスを始めとする自転車ロードレースをTV観戦するのが最大級の趣味でした。ただ、これの放送時間が長い!昔なら電波が通じなかった山岳区間や中継用のヘリが飛べなかった悪天候時などは、思い切り放送が短縮されたり、ほぼ中継はなくスタジオから音声が流れてくるだけと言う事もあって、適度な時間で収まる事もあったのです。ところ最近の通信環境の変化もあって、スタートからゴールまで、5時間程度の放送が当たり前になってしまっているんですね。ファンとしては嬉しい限りなんです。ほんと、これは画期的な事なんです。チャンネルをザッピングすることもなく見続けていました。
でも、今の私だと5時間もTVの前に座っている事自体「考えられない」と言うことになります。食事の間だけ…30分ぐらい座っていれば充分。それ以上、見ていたくないんですよ。どんな番組でも。
と、脇に逸れましたが「興味が持てるフェーズ」に入ってきた時に元の趣味が復活することもあれば、もっと別の方向に趣味や興味が変わる事もあるでしょう。ある種、リセットが掛かったと思って良いんでしょうね。
そして、その趣味や興味の対象が変わってきた時に、それが反社会的なもの(😁)じゃなければ、それをやってみれば良いんだと思います。私など集中しすぎるくらいのところがあるので…自分の病気に興味がありますし、それを良くする事にも興味があります。そして、こうして書くことは昔から好きだったので、色々と調べながら書かせていただいています。言い換えれば
興味を持つ→実行に移す
と言う過程に入ったんだと思うのです。私としては、結構な飛躍が出来たと思っていますし、Xを通じて読んで頂ける人が少しでも居て頂ける事に「感謝ができる」と言う貴重な機会を頂けていると思っても居ます。
実行に移すには
ただ、私の場合、元々別のサイトを持っていて、そのサーバーにutsulife.comの環境を作れば良いだけだったので簡単でしたし、特に追加の費用もほとんど発生することもなかったので良かったのです。が、中には経済的に出来ない趣味や踏み込めない興味もあるでしょう。精神疾患の場合「3か月後には普通に生活できますよ」なんて言われることはまずないですからね。生活の不安から出費は抑えたくなるのが当たり前です。だから、コスパの良い趣味と出会う事が必要でしょうね。
やれやれ本題です
このサイト「utsulife.com」、Blog、Xを始めた理由は簡単です。思考の準備はこうです。
- うつ病の患者目線で「うつ病」の辛さや、回復期に至って気づいた事を書き記して置きたい
→ utsulife.comを開始 - 固定ページだけでは、表現しにくいな
→ Blogを始める - 病気の人たちと繋がらないと自分の状況が見えてこないよな
→ X開始
こんな感じですね。utsulife.comを始めた時、専門家(精神科医)のサイトは沢山ありましたし、とても参考になりました。しかし、患者目線で思った事を表現する事も大切だよなぁ。これだけ日によってコロコロと変わるんだもんなぁ。と思ったんですね。
その為に、自分で体験した「うつに良くなかったこと」「うつに良かったこと」など、医師やカウンセラーとの会話を通じて得た情報を含めて書いておくことで、自分にも「教訓」として残せます。例えば「カフェインはうつの予防に良い」と言う記事を見かけて、コーヒーをがぶ飲みしたら(急進期で制御不能だったのか…)、動悸が収まらず医師から「禁忌だよ」と怒られた事もありますし…。それ以来、コーヒーの他、カフェインを含むものは出来るだけ摂らないようにしています。
精神疾患は立派な病気です。そして私のように成人してから発症しているケースだと、知らぬ間に「単に疲れてるんだ」と考えて抑え込んでしまい、結果、仕事ができなくなってから病院に通い出す。と言う事になります。が、病気一般と同じように「早期発見・早期治療」が有効だと言われていますし、私も振り返って見れば、こんなに長く治療をしなくても住んでいた可能性はあるなぁと思うんですね。
精神疾患と言っても多様な病気があり、その中のうつと言っても症状も違えば処方されている内容や治療法、症状などで「良いこと」「良くないこと」があるはずです。そして「精神疾患」というと偏見にも会います。自分自身も「うつ病?俺は関係ないけど…ここブラックだからなぁ」とか思って丸っ切り他人事でしたしね。
それでも、私自身、「無職」とは言え前向きに生きていこうと考えています。そんな考えが出来る状況だから、様々な苦しみにある人の中のほんの一例として私自身が経験している事をライブで公開するような形でお知らせできればと思っている次第です。