逃げるは恥でも何でもない
「逃げちゃ駄目だ」と言う呪文
よく「逃げては駄目だ」「逃げグセが付くとロクな事にならない」なんて言うオジサン(私を除く)がいますが、私は逃げるべき時は積極的に逃げて良いと思っています。
人間関係が辛い、会社が合わない、仕事が無茶だ。なんて言う場面は誰しもありますし、↑のような事を言う人は「他のメンバーなんて、もっと厳しいんだぞ!」なんて言っちゃいますよね。で、ふと考えると言ってる本人が辛い状況になんて無かったりするわけです(IT屋の営業さん、聞いてますか?😁)。
もうこうなると、呪文です。「ほーら、お前は段々働きたくなる。働かないと生きていけないとおもってしまう〜」と言う呪文です。かかったことありませんか?
逃げられない場面だって、逃げない事だってあります
人間、生きていれば逃げられない場面だってあります。何かの期限だとか、生きるためのお金の問題だとか、どうしたって回避行動が取れなかったりするわけです。それを拡大解釈すれば、人生がんじがらめになって、何からも逃げられない、逃げちゃいけないって事になってドンドン追い込まれていく感覚になることもありますよね。もちろん、こうやって自分を追い込んで、達成した時の「成功感覚」に酔いしれる事も否定はしませんが、私自身の体験で言えば成功感覚によるプラスよりも命と心を削られるマイナスの方が大きいんじゃないかと思っています。まぁ、一攫千金を狙うタイプの人なら、そこでゴール。そこからは伸び伸びと余生を送るってこともあるでしょうが、私の場合、コツコツ型なので、どうしても
完了→次の仕事
となって成功感覚に酔いしれる時間はせいぜい半日。余生を満喫するには足りませんね。
自分の中の基準を作る
確かに「逃げグセ」と言うのはあります。長いサラリーマン生活自体を悠々自適に過ごしている人には、この名人がいたりしますよね。「私、その経験はないので無理です」とか「これからトレーニングを受けるとなると時間が足りませんね」とか。言い訳が、ちょこっと乗っただけで、まぁ正直、聞き苦しい言い訳を強弁するって感じすら受けます。当然、上司さんの受けは悪くなりますし、決して出世コースには乗らない訳ですが、それでも首になるリスクも精神を病む危険もありません。「俺なんて給料安いんだぜ」って愚痴を言われても「そりゃそうだろ」と内心思って終わりなんですが、本人がガツガツと給料を求めていないんですから、その愚痴通りの結果を呼び寄せているような気もします(😁)。
そこを考えると、社会人で精神を病む人の多くは責任感が強いタイプなのかもしれませんね。「いや、上昇志向が強すぎるんだよ」と言う人もいるかも知れませんが、私なんて上昇志向ありませんでしたから(😁)。既存の会社で上昇しても派閥だとかなんだとか面倒くさい。そんな中で「うっちー、今、マネージメントが空いてるからやる?」と言われたこともありますが、断ったこともあります。それより「不正義・不誠実が嫌い」だったり「余計なゴマすりは御免被る」だったり、あるいは「他の困っている人に寄り添う」なんてタイプが、精神に勤続疲労を溜めてしまうタイプなのかも。と思います(自画自賛じゃないです。私は面倒くさがり屋なだけです)。
そんなタイプは逃げの名人を苦手なタイプにしているような気がします。「あーはなりたくない」とか「それってズルい」とか。で、最近思っているのは「逃げる基準を自分なりに作っておけば良いんだ」という理屈です。
基準の例
私がパワハラ上司(カントリーマネージャー=日本支社長)の下にいた時、多くの社員が
・辞表提出を要求される
・辞職勧告を受ける
・辞職するように仕向けられる
の3つの形式で辞めていきました。その当時は「パワハラ」なんて言葉は通称扱いで、明確に労働基準法などに抵触していなければ中々、労基局でも扱ってもらえない時代。中々、公的に争うに厳しい環境ではありました。
そんな中で私が尊敬していた外国人社員が辞職勧告から、ほぼ強要を受ける状況に陥り、結果として裁判になりました。その後も、3つの形式が収まらず、コンサルながら営業以上に売上をあげていた私への影響は遅かったのですが、それなりに「準備」はしておきました。いつ「F○○Kなウッチーはクビネ゙」と言われるか判りませんからね。
そんな中で1人が特攻をしました。それが「本社のEVPにメールした」と言うものです。下手な英語で一生懸命、カントリーマネージャーの傍若無人な振る舞いを訴える内容です。で、これでどうなるか。本社は無視。いや、多分、カントリーマネージャーに何か言ったのでしょうね、その社員が数週間後に辞職勧告を受ける羽目に陥りました。特攻失敗です。
と、ここまで来ると誰もが「転職活動は?」という話になります。全員が大脱出です(😁)。
では、逃げるタイミング、基準はどこだったのか?ですが、外資の場合で言えば日本国内の経営はカントリーマネージャーにほぼ全権が与えられます。カントリーマネージャーは本社での面接(インタビュー)が行われているので、どんなに無能でもカントリーマネージャーが部下の直訴でクビにすることはありません。それは本社でインタビューを行った役員達のメンツに関わりますから。だから「こいつ、ヤヴァいんじゃね?」と思ったら、逃げる準備はしておくに限ります。もしくは「ヤヴァい奴だけど、胡麻すっとけば暫く生き残れる」とたかを括って派閥形成に尽力するべきですね。この2択です。一見「俺には関係ない」と思っていても、どういう形でフラグが立てられるかは解らないので、関係ないと他人事でいると痛い目に会います。
これが一つの基準です。
そしてもう一つ、特に中途採用の場合は、上司の評判をできるだけコッソリと聞いておきましょう。私がやられたのは
・「猫タイプだよ」(飽きたらポイ捨て)
・「昭和の上司像」(パワハラ発言バシバシ)
・「上司受けだけは良いんだよね」(部下には受けない)
・「派閥作るからね」(部下でも敵対視されると危険)
があるでしょうか…。
このタイプの下に配属になってパワハラを受け始めたら、絶対に止まりません。ゴミ同然、敵同然の扱いしかないんですから。我慢しきれなくなったら、逃げて良し!です。旧軍的に言えば(😁)「転進」です。ただ、その上司のパワハラは色々と分析しておきましょう。必ず自分が他人と働く時には良い教訓がたくさんあるはずです。
そして、もう一つ。「立つ鳥跡を濁さず」と言いますが、濁しても良いと思っています。先程書いた同僚の特攻にも近いものですが、絶対に「証拠」を残しておくのです。裁判をやるレベルなら、それは大切な資料ですし、裁判にならなくても「会社の改善のため」の資料になります。
私の場合、上司のパワハラ、そして会社に対する裏切り行為、そして他の社員に対するパワハラ(悪口)を会社・プライベートのメールに沢山残っていたので、全部、退職時に社長宛に送りました。更に言えば最重要顧客にも送りました(これは本来は機密保全に反する行為です)。
結果として、この上司は退職。また彼が牛耳っていたサテライトオフィスもクローズ。これらは退職後に知った事ではありますが、少なからず会社の健全化に役に立てたと思っています。
彼や彼の派閥から見たら「後ろ足で砂をかけやがった」と言うのでしょうが😀。
やたらめったら逃げていては人として進歩は無い…先程書いた「逃げる名人」スキルしか上がりません。が、心が壊れる前に「自分の基準」を作って逃げましょう。その時には必ず転職先を確保するように!これは心が壊れていないうちには最重要です!!。
というわけで、今回も最後までお読み頂きありがとうございます。
一人でも心のダメージを受けずに働けるよう祈っております。