(精神)障害者への社会福祉は充分か?ハードルは?

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結論として

 日本の社会福祉制度は、国や自治体の公的な補助、また公共交通機関などの割引など、国際的に見ても高い水準にあると思っています。ただ、その制度が、必ずしも機能していなかったり、やはり制度として更新すべき点や不足している点があるとも思っています。
 1. 精神疾患を持っている人が充分に情報を把握できていないこと
 2. 行使、享受するために「ハードル」を感じること
 3. 一般の助成制度そのものが「古臭く」、障害者を含めて活用しきれない状況にあること
の3つを主な理由にできそうな気がしています。
 こういった事は、個別に考えるべきでしょうが、本来、目的としていた事に届かなければ制度が単なる「ハコ」になってしまい意味をなさなくなると思っているので、少し自分なりに考えてみたいと思って、今回の投稿としました。

精神疾患に対する助成制度を把握できていない

 精神疾患に掛かると、様々な障害者向け、患者向けの助成制度を受けることが出来ます。公的なものとして最初に来るのが、何度か書いていますが「自立支援医療制度」でしょう。これは、収入に応じた一定金額までを月額の診療・投薬の支払い限度額として、それ以下であれば10%負担、それを超えると無料になる制度です。単純化するために毎週、診療に1,000円、投薬に1,000円、合計2,000円支払っていたとすれば、社会保険で30%の負担になっているのですから、これが1/3になり約700円に抑えられます。
 正式な交付には、一定の通院歴(期間)と診断書や申請書が必要ですが、それが揃ったら、即、申請すべきです。そして、正式に審査が完了し書面が郵送されるまでにも、調べてみれば判りますが一定の期間が必要になります。「ということは、かなり制度を使えるようになるまで時間が掛かるの?」と聞かれれば、答えは基本的に「NO」です。
 これはクリニックや薬局などの規定に依るのですが、基本的に(市区町村)役所へ申請を行えば、その場で「申請者控え」として役所で受付日を押印したペーパーを渡してもらえます。これがあれば、制度が適用されます。なので、数ヶ月通院が続いていれば「申請された病気・クリニック・薬局」に限定されますが、すぐに10%負担になりますから、経済的負担に対する安心感が産まれると考えます。
 ただXを見ていると、この制度の存在自体を知らずに通院している人が見受けられます。これは少数派なのかもしれませんし、例えばうつの急進期などだと、クリニックのポスターに目を遣る気にもならないので「見過ごし」が生まれているのかもしれません。
 私の場合、記憶は定かではないのですが、たまたま見ていたYoutubeの動画に挟み込まれたCMでこの制度を知り、少し慌てて調べたような気がします。なので、これを周知するためにも、申請可能な時期に差し掛かった時点で医師から患者さんに向けて「自立支援医療制度が受けられるよ」と説明し、パンフレットを渡したりやソーシャルワーカーへの相談などへ誘導して上げる必要があるのではないでしょうか?もし、このコストがクリニックにとって大きいのであれば、ペラ一枚のパンフレットに「市区町村の役所で『自立支援医療制度』の相談に行ってください」の一文だけでも書いてあげられないものかな?と考えてしまいます。
 これと同様に傷病手当・団体保険は勤め先の会社人事・総務部から案内を出す、障害者手帳についても自立支援医療制度と同様にクリニックから案内を出す。と言った積極的に患者が理解できるような働きかけをして頂けないか。と考えるのです。
 (本当は、もっと役所が積極的に動ければ良いのでしょうが…これは予算などの問題もあるでしょうから、できるだけコストのかからない方法で書いてみました)

受給に対する「ハードル」

 これもXで見ていて気になった事なのですが、障害者手帳の給付を受けると通常の就職・転職ができなくなる(障害者枠になってしまう)や生活保護は批判の対象だから受けたくない。と言った書き込みを見ます。また私自身も経験しましたが、障害年金の申し込みも結構、大変です。気持ちが落ち着いてるときじゃなければ自力では完成できなかったと思います。
 こうした一つ一つが、精神疾患を持つ人にとっては高い「ハードル」になってしまうのですよね。ただ、これらのうち、障害者手帳と生活保護には大きな誤解があると思っています。
 まず障害者手帳は給付を受ければ、様々な優遇処置を受けることが出来ます。ただ、これを提示するのは「任意」です。という事は自ら進んで提示しなければ優遇処置を受けることは出来ません。これは就職の時も同じで、障害者手帳の所持を明らかにして障害者枠で採用されたいか(会社としては助成対象となり門戸を開けやすいが、給与は安い)、それとも障害者手帳は提示せず一般の雇用を求めるのかの2択を可能(会社としは健常者として雇用し、健常者と同等の給与を受ける事が可能)としている訳です。
 中々、究極の2択になっているわけで、例えば障害者枠から採用してもらい、その後、職場になれた時点で一般枠へと変更が可能なのかなど、個別に聴いていくしかないでしょう。ただ、少なくとも医師の合意がない状況で無理に一般枠での採用に通ったとしても、かなり厳しい状態になると思うので、必ず医師と相談して例えばリワークなど、一定の「社会復帰」のための「慣れの期間」を取っておいた方が良いと思います。
 そしてもう一つが「生活保護制度」です。これは、憲法で「国民は最低限の文化的生活を営む権利」を保証するための制度です。が、一時(のと言うか、今でも引き続いて問題ですが)不正受給を受けたり、外国人が生活保護の受給を目的に入国したとしか思えない状況からネットを中心に大騒ぎになりました。こういった事から「受けたくない」と言う人が多くいるのも事実です。私だっていつ必要に迫られるか判らない状況ですしね。でも、必要な人は確実にいるのですし、それを「特定政党」や「一部のNPO団体」などが同行しない限り、役所の窓口で「もう少し我慢しましょう」などと言われる実態があることこそ大きな「ハードル」になっているのでは無いかと思うのです。

一般の助成制度が古臭い

 例えば「復職はしたくない(再発リスクが高い)」や「以前の業種は避けて未経験でも可能な職に就きたい」など、個別の考え方があるでしょう。その中には「自分で起業してしまった方が手っ取り早いかも」と言う人がいるかも知れませんね(私も、それに近い考え方です)。
 これなら、パワハラ上司も無いですし、ほぼネットを使った形で会社設立までをサポートしてくれるサービスがあるので、以前よりも小規模資金かつ短時間で「起業」と言うレベルなら実現が可能です。そして、そのための説明会を聞いた記憶から、書いていきます。この説明会の主旨は「起業のスタートアップ、あるいは設立間もない会社に対する助成処置」だったとかと。
 ただ、出てくる助成の対象が…なのです。特に私自身が一定、知っている「IT分野の助成」などは「非道いな」と思わざるを得ませんでした。まず「100万円を超えれば自社のHPを作る予算の50%(だったかな)を助成する事が可能です)」や「100万円を超えるITで購入する費用の50%が助成されます」というのです。これが古臭い…と思っているのです。
 私自身が思い描く会社のシステムの大半はクラウドで運用されています。逆に言えば、概ねの業務システムがクラウド化されていて、小規模のスタートアップ起業には非常に便利なものとなっています。これを使っている限り、基本的にIT投資が100万円を超える使い方を求めるなら、相当、無茶か縁故のIT業者へ委託してキックバックを狙うような真似でもしないと無理でしょう。
 またIT予算、つまりPC・サーバーやスマホを買ったりする予算が100万…かなり、大きな会社でしょうね。多くは「リース契約」で経費化してしまうところが多いはずです。つまり「助成対象外」になります。この他にも「障害者雇用」となると「親族は不可」だとか、様々な縛りがあって私自身が起業しても使える助成金がほぼ無い事がわかったのが唯一の収穫です(😁)。また、先程の2点を取り上げてみても、今あるITの潮流とは全く同期していません。これでは「IT化」などと言って助成している意味がないんですよね。また同じスマホでも10万円を境に備品と資産に分類されたり…。こういった制度設計が役所だけで行われているのであれば、ピンボケも仕方ないのでしょうが…、役所もピンボケとは言われたくないので民間会社の経営陣も含まれています。この民間の人たちこそ少々、ピンボケが過ぎるのでは無いかと思います。結局、これではハードル以前に使えない制度とも言われかねませんね。

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