私にとっての音楽療法

毎日が心細かった

 急進期、もし再発や悪化などとなると、同じ様な事になるんだろうなと思いますが…。医師から「朝の散歩が良い」と言われて、散歩に出かけ始め、そして段々、マンネリ化してきた頃に「音楽聴けば良いんじゃね?」と思って、Amazon Musicで良い感じの曲を必死になって探していました。探したときのキーワードは何だったかな…忘れてしまいました。
 今はシャッフル再生ばかりに改悪されたAmazon Musicですが、まだ、当時は自分のお気に入りを作っておけば、登録された曲をシャッフルでも順番通りでも、選択して再生もできたのでAmazon Prime会員としてはとても素敵なアプリでした(とは言え、今でも使っていますけどね)。
 当時は毎日が心細くて、散歩していても「皆、会社に行けて偉いなぁ」とか「俺、どうなっちゃうんだろう」と思ってばかり。だから、少しでも自分を励ませるような曲を探していました。
 因みにガキンチョの頃から、洋楽マニアでジャケ買いをしまくっていた時期もありましたから、それなりに良い曲は知っているのですが、どうしても、その頃にあった思い出が蘇って来てしまい…特に嫌な事、悲しい事を思い出すという循環が起こってしまうので、基本、自分が知らない曲を中心に集めていましたね。健常な人から見たら「馬鹿なことに必死になるね」ということなんでしょうが、当時は薬を飲むか、あるいは音楽、それと落語を聴くことぐらいしか気持ちを落ち着かせる方法が無かったんです。薬を飲むと確かに気持ちは落ち着いてくるんですが、それは薬効がある間だけ…。自分にとっては、根本で何かが違うという気がしてなりませんでした。でも、音楽と落語は癒やしの成分があるような気がしたんですね。
 この頃はテレビはもちろん、好きな読書も気持ちがついてこなくてダメ。Youtubeも見ていて疲れてしまうし、Twitterを見ていてもネガティブな情報が多くて、色々な事をシャットダウン。残ったのが音楽と落語だけでした。しかも落語は既に鬼籍に入っている古今亭志ん朝ばかりでした。と、脇にそれましたが、音楽探しですね。

で、見つけた曲

 うつになる前の数年は、音楽を聴く余裕すらなくて、幸い「自分が知らない曲」と言う前提は、案外、楽勝でクリア。逆に「俺、全然、音楽なしで生きてたな」「No Music No Lifeだったのになぁ」とか、悲しくなるほど探せば探すほど、そしてAmazon Musicのレコメンデーションに出てくる曲も知らないものばかり。そりゃ楽勝でクリアできますわ。
 で、これだと思ったのが

私を救った一曲

 皆さんご存知のRachel Plattenが歌うFight Song。私は全く知らなかったんですね…。でも、聴いた瞬間「これや!」と思いました。この頃の自分は、本当に自信もなく心細さばかりで胸が張り裂けそうでしたが、とある人物に言われた「長生きしたもんの勝ちや」だけを心の中に持っていたので自殺願望だけは抑制できている状況でした。その中で、自分が自分を信じなきゃ!と思わせてくれたのが、この曲。そして、彼女自身が、全く売れない歌手だったのに、自分を信じて作った曲がコレ。そしてスマッシュヒットしたと言う逸話付きだったことを知ったのは、かなり遅れての事でした。が、他人が何を言おうと、自分の存在がどれだけ小さくても、1%しか可能性がなくても、それに掛けても良いんじゃない?と今でも自分自身に言える基礎を作ってくれた曲でした。

そしてもう一つ

 そして、もう一つはAfrojackがStingとコラボしたCatch Tomorrowです。

Sting好きやねん

 Stingは、本当にガキンチョの頃から、Policeの頃から好きな歌手ですが、Afrojackは全く存じ上げず、この曲も全く知らずにいました。もちろん、うつの前兆が始まる前までは、何かと言うとStingなど好きなミュージシャンのアルバムは何かとiTunesで落として居たのですが、やはり恐ろしきはブランク…。この曲も聴いた瞬間「これや!」でした。
 傍から見ていたら夢など持ちようがない人たちが「笑っているのは明日のため」と言うのが何とも悲しく、それでいて自分も心のなかで笑うようにと落語を聴いている実態が何か重なったのです。

emotional music

 ここらへんの曲は「emotional music」で分類されているんですかね?私にとっては、そのまま当時の、そして今でも落ちている時の自分の感情にそのまま訴えかけてくれる曲です。急進期の頃は「絶対に治してやる」と思いつつ「このまま負けたらどうしよう…」と不安に駆られながら。そして、今は「治らなくても良い。でも前を向くことだけは止めない」と自分を励ますために、こういった曲を選んで聴くようにしています。
 アファメーションや瞑想など「ヒーリングサウンド」の方が合うかも知れませんが、例えば散歩や外出など、自分の中の不安や心細さを補うため、私には「emotional music」が必要なときが今でもありますし、ここに挙げた2曲は今までの人生で何千(は大げさか…)と聴いてきた中でも、とても重要な曲になりました。

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