若さって80歳を過ぎても感じられるんですね
今日の午前中、日本刀鐔の匠「隆剣」さんに会ってきました。補聴器の調子が悪く、お嬢さんも同席で色々とお話をして来たのですが、加齢に伴う衰えもお話されながら、「この人、若いなぁ」と思うエピソードも聴くことが出来たので、今日は、その辺を。
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鐔作り
鐔を作る工程は、このツィートから見ることができます。全て手仕事で、鍛鉄と言われる鋼鉄から鐔を切り出し、そして時代付けと言う工程を経て、まるで時代劇にも出てくるような古風な鐔が出来上がります。特に隆剣さんの場合、繊細な線を特徴にしているため、折角切り出したものが完成間近で失敗してしまったり、時代付けで泥のような薬品でもんでいる時に折れてしまうこともあるそうです。そうなると商品にはなりません。ここら辺は厳しい工芸の世界です。
主なお客様は、居合など真剣を使う人やコレクター、その他に女性や少年も少なからずいるというのですから、ちょっと驚きです。
叶願でも取り扱ってはいますが、扱っているのは銅板から切り出したもの。これは時代付けもないですし、鋼鉄に比べれば柔らかいので比較的短期間に作ることも出来るのですが、コレクターや居合となると、鋼に目が生きますよね。となると工程の中でも時代付けも含めて最低三ヶ月は掛かると言うのですから、根気強く待つ必要があります。
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隆剣さん
ただ、細かな模様などオーダーの図案で作成するとなると、段々「手が言う事、効かなくなっててさ」と言う話が出てきました。御年85歳（だったかな？）ですから、致し方ない話です。それでもつい最近まで、工房とご自宅、約3kmを自転車で毎日往復していたのですから、その体力はまだまだ衰えていないと思います。
また、佇まいを考えると酒豪に見えますが、お酒は飲まないという事なので、時々、甘いものを差し入れていたりもします（😁）。
日本刀、それに関連する職人と言うと「厳格」「威厳」と言う先入観が強いのですが、実際にお会いすると、気さくな可愛い人で、年末・年始の世田谷ボロ市でも出店しているところにお伺いするとニッコリして「この笑顔が隆剣さんなんだよな」と思っています。ただ、この先入観が湧いた理由はただ、日本刀などのイメージだけではなく、サイトに載っている写真などが怖い😁。笑ったことが無いんじゃないかと思うくらいの雰囲気だったのです。でも、今ではまるっきり逆のイメージです。
若いぜ隆剣さん！
「耳が遠くて」とか「もぉ娘がいないと何もできないの」と弱音を吐いたりする隆剣さんですが、今日「この人、若けぇなぁ！」と思ったエピソードを伺いました。
先程、書いたように完成間際でしくじって商品にならないときに「もぉ、むしゃくしゃしちゃうのよ」と言うんですね。それで「夜中でも工房に行ってさ、作業しないと寝られないのよ」と言うんです。
気持ちは謙譲だった頃のわたしが同じだったので、凄く判るんです。しかもお嬢さん曰く「ぶっちぎれてたよね」と言うくらいのものなので、相当なのでしょうね😁。85歳で悔しさで眠れずに仕事に打ち込んじゃうって言うのは、かなり若いパワーが潜んでいるとしか思えません。
最近、自分の両親を見ていて「丸くなったな」としか思えなくなっていたので、少し爪の垢を頂いて行く必要がありそうです。
また、自分ももし長生きできれば、こんな風に「ちくしょー。失敗しちまったぜ！」って言える爺さんになりたいもんです。
で、お知らせです。
今日は、打ち合わせや納品の他、隆剣さんの過去作を叶願でも取り扱いをさせて頂くことになりました。隆剣さんからご購入頂いても結構ですし、ご祈祷でお守り代わりにという事であれば、その分、お高くなったりもしますが、弊社からご購入を頂いても結構です。（お問い合わせ頂くだけでも結構です）。
で、更にお知らせですが…
お知らせ1
特に「こんな図柄で作って欲しい」と言う場合には、図案を隆剣さんのサイトへ送ってみてください。そうすると「できねぇな」と言われるかも知れませんけど、一生懸命、考えてくれるはずです。
お知らせ2
また、最近は鋼鉄に彫金が出来る人が激減しており、もし、彫金の心得があって鋼に彫り込んでみたいという方は、こちらの問い合わせでも結構ですので、ご連絡をいただければお繋ぎします。
私も精神年齢14歳で通していますが、隆剣さんもかなり若いので良いコラボレーションが出来るとお思います。
今日も最後までお読み頂きありがとうございます。戸籍上の年齢よりも気持ちが大切なんだなぁと思わせて頂いた一日でした。
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