ストレスチェックを受けていたけど

 労働安全衛生法により、ストレスチェックが義務化されています。その為、サラリーマンをやっていると定期的に「ストレスチェックを◯◯日までに受けてください」と連絡が入ると思います。
 ITのようにストレスフルな職場環境の場合、唯一と言って良いオフィシャルな判断材料になりますね。私も受けていましたし、一度は「ストレス過剰」で産業医面談を受けたこともあります。
 それでも、その後、ストレスチェックでは正常の範囲にありながら数年して発症しているのですから、幾つか問題があるとかんがえています。

ストレス過剰と見られないようにする社員

 業務多忙や職場の環境によって「ストレス過剰=半日〜一日休んで産業医面談」と言う事に抵抗を覚えることがありますよね。それに下手をすれば上司批判と受け取られかねないという気兼ねが出てきたりもします。そうなると自分ではストレス過剰になっていても「ここのチェックを外せば、多分、ストレスのスコアが上がらないはず」と操作をすることがあります。こうすれば、うつや精神疾患の「芽」が生えかけていても、会社としては発見も出来ませんし、その時点で仕事に穴を開ける必要もありません。表面上は丸く収まる訳です。が本来の目的である精神疾患の早期発見!には何らの寄与も出来ないわけです。私自身にも見に覚えがあるので、この対応は社員として決して良い事だとは思いません。

産業医は?

 大体の会社はストレスチェックの結果、産業医との面談を求めます。さて、これが問題です。まず、産業医が精神科の分野に詳しくない内科の場合、どうなると思いますか?
 私が面談をしたのは純然たる内科医でした。で、ストレスチェックの結果を見ながら医師が言ったのは「ストレスと言われても…専門外だからねぇ」です。で、その後は?となりますが、これで終わり。どこかのクリニックや病院を紹介される訳でも、会社に適切なフィードバックがあった訳でもありません(上司から「どうだった?」と聞かれる状況だったので、上司にはストレスチェックの結果が悪かった事は伝わっていても、その面談結果が伝わっていなかったのは明らかです)。これでは意味がありませんよね。
 この様な場合、自分で「予防」のつもりで専門医の診断を受ける方が良いのでは無いでしょうか?また、徐々にストレスチェックの実態と産業医の役割の乖離が理解されてきているようなので、私のように全く無意味な時間を過ごす事は減ってきているかも知れませんね。

次のストレスチェックまで我慢しようと考える

 私が精神科の受診を受けずにいた理由の一つが「次のストレスチェックまで待とう」と言う事でした。それまでも、明らかにストレス性としか考えられない蕁麻疹や便秘、不眠が続いて上司にSOSのつもりで話しては居たのですが「便秘や蕁麻疹なんて、医者に行けば治るだろ」で一蹴されていました。自己申告が駄目なら、オフィシャルなお墨付きを貰わないと無理だな…と考えた私は「そうだストレスチェックがあるじゃないか!」と思いついたのです。以前の経験から産業医面談に意味が無いことは判っていましたが、先程書いたように、これをトリガーにして(結果が悪ければ)心療内科か精神科に行けば良いやと考えたわけです。
 これが最終的には良くなかった…。気持ちが落ち込むたびに「秋まで待てば」とストレスチェックの時期を2月頃から心待ちにしていたのですが、1ヶ月、2ヶ月と経つごとに鬱々とした気分が続き、仕事の能率も下がってきます。そして4ヶ月経った6月、ついに会議をしている中で自分の異常、まるで金魚鉢に入ったような感じで他の人の声が聞こえてくるし、自分に質問が飛んできてもそれが自分への質問だと理解はしていても何だか他人事のようにスルーしている自分がいたりした訳です。とても気持ちが悪く、上司からも「人事に言うか?」と言われましたが、前述のようにSOSを無視された経験から「まだ早いです」と言って断った上で通院する方向に…イントラネットで相談窓口を見つけ、とは言っても厚労省の担当サイトですが…ここに電話をする決心をした訳です。
 もし2月の段階で受診していれば、ここまで酷くはなっていなかったかも知れません。しかし、実際に他人は本人のSOSをそれとは気づかないものですし、それを気づかせるためのストレスチェックが公的に一定のスケジュールで行われている限り、そこまで我慢すればSOSが認知されると思うのは仕方なかったよね。とも思うのです。

法的に定められた「ストレスチェック」に頼らない

 ストレスチェックを健康診断のように一定の時期に行われているようなら、その時点で本来の機能は果たさないでしょう。私自身、厚労省の窓口に電話する以前に、幾つものネット上のストレスチェックをやってみて、いずれも「危険な状態」と言う結果が出てきたのを見て、電話する決心を固められたと言う側面もあります。
 実際の業務を考えてみても、繁閑期というものがあります。繁忙期ならストレスは高くなり、閑散期ならストレスは低くなるという傾向はあるでしょう。閑散期にストレスチェックを受けると、おそらく素直に答えても「高ストレス」とは認知されにくいのではないでしょうか。それよりも繁忙期になると身体異常を含めて(私のような蕁麻疹なども)、繰り返すようなら、精神科に行きましょう。「心療内科じゃ駄目?」と聞かれるとすれば、多くの心療内科医は精神科医でもあります。実際、サイトや看板には「心療内科/精神科」となっているところが殆どです。精神科と言う言葉に躊躇があるなら「ここは心療内科だから」と自分に言い聞かせて受診してみましょう。冗談のように聞こえるかも知れませんが、結構、真面目にオススメする自己暗示です。そこで診察の結果がうつなどの疾患となったら、精神科の専門医に診てもらっていると言う安心感になりますし、何もなければ「心療内科/精神科」で問題ないから、気を強くもって進んでいこう!と考えれば良いのです。躊躇する材料はできるだけ減らして、専門医のアドバイスを聞きに行きましょう。