精神科に行く事が怖い

 事件が起きると「容疑者には精神科への通院歴があり」などと報道されることがあります。精神科への抵抗感を生む一つの要素ではないでしょうか。

 私自身は切羽詰まった状況になってから診察を受け始めたので、その時点では抵抗感は無かったのですが、その前、ギリギリのところまで「精神科かぁ…」とネガティブな印象を持っていたのは間違いありません。ただこれが「心療内科」だったら、どうでしょうか?
 精神科クリニックの多くは「心療内科/精神科」とされています。基本、医師は一緒です。という事は、うつなど精神の不調を感じたら心療内科に行ってみるつもりが良いのではないでしょうか?

うつは内科的な症状も多いんだから

 ストレスチェックをやると判ると思いますが、腰痛などの整形外科的な症状の他、肌のアレや蕁麻疹のような皮膚科的症状、そして便秘や下痢、全身の倦怠感など内科的な症状も併発します。症候群的な感じでしょうか。ストレスチェックで要注意状態だったら、それぞれの対処療法をするよりも前に心療内科へ行ってみましょう。的確な治療を受ける最短距離だと思います。また私の通っているクリニックでは初診で血液検査があり、他の病気による倦怠感や愁訴などかどうかをスクリーニングしてもらえるので、もし、他の病気の影響なら、その専門医に移れば良いのです。この逆は結構、難しいプロセスになるんじゃないでしょうか。(一般の内科医にストレスの相談をしても、中々、的確な治療には繋がりにくい。という経験がある者が書いています)。

クリニックに通って判る「通院者の多さ」

 掛かりつけのクリニックでは名前ではなく受付で渡される番号札の数字で呼ばれます。つまり名前と言う個人情報が待ち合い室では漏洩しないことになります。それでも慣れてくるととある事で「あー、この人は初診か」とか「この人はカウンセリングね」と区別がつくようになります。その中でいつも思うのは初診の患者さんの多さです。中にはセカンドオピニオンなど他のクリニックから移って来た方もいるのでしょうが、付き添いの方がいたりして明らかに初診なんだろうなと言う方も多いのです。その状況を見ていると「案外、世の中、精神科への心理的なハードルが下がっているのかも」と言う感想と、実際に精神的な自覚・他覚症状を抱えている人が多いんだと言うことです。

 クリニックの待合室はいつも混み合っている中で、かなりの割合で初診の方がいるんです。私の心の中では「新たなる同志」です。そんな事を考えると「なんでギリギリまで我慢しちゃったんだろうな」と言う思いがよぎるのも事実です。

早期発見、早期治療のは早期の寛解に有効!

 うつの症状は人それぞれと言いますし、比較的早く寛解する人もいれば私のように年単位で通院している人もいます。ただ、言えるのは早いうちに通院していれば、初期に投薬された強い薬も必要なかったのかもな。そして数ヶ月かけて調整された薬の種類や容量ももっと早く最適化されていたのかもしれない。更に言えば「うつ」ではなく適応障害など、もっと軽い状態で済んでいたのかもしれません。

 これは私の勤務していた会社の人事と最後に会話した記憶ですが「ストレスチェックも受ける側が対策を考えて(仕事や上司に忖度して)回答してしまうので、効果には疑問」との言葉がありました。うつの患者から見れば「仕事や上司より自分を大切にしようよ」と思うのです。
 「うつは心の風邪」と言いますが、正直、風邪で済むような状況ではありません。自分の心身の調子だけではなく、経済的・家庭や社会的な立場でも悩むことがでてきますし「うつ」と言う診断を受けると多くの場合、症状が悪化します(急性期と言われます)。この時は、酷く自分への自信もなくなり様々な心配から深い負のスパイラルが始まります。
 こんな状況になるなんて誰も教えてくれませんし、風邪で経済的な心配をする会社員なんていないですよね。それを考えれば、心身の不調を感じ、ネットにあるストレスチェックで注意すべき状況だと解ったら、即クリニックを探して予約しましょう!