うつ病は精神の「病」ですが…

うつ病や精神病というと、皆さんはどんなイメージを抱くでしょうか?
・自分はもしかしたら「軽症うつってヤツかも」と疑念を抱いている人
・家族や身近の人に、その疑いがある人
・既に自分や身辺の人に発症者がいる人
・自分は関係ないと思っている人
などなど、立場によって変わると思いますし、同じ立場でもその病気や症状の軽重によっても違っていると思います。私自身、メンタルチェックなどで「うつにはなりにくいタイプ」とされた経験もあったので、自分には関係ないなと思っていました。そして精神病と聴くと、様々な偏見に合うんだろうなと思っていました。
 が、実際には自分が「これはヤヴァいな」と思い、診察を受けてみると「うつです」と言われてしまいました。そして、その場で「明日、人事か上司に言って会社は休むように!」と言われる始末でした。幸い入院が必要なレベルではなかったので、自宅での療養という形になったのですが、この前後は、どう表現して良いか分からないくらい辛いものでしたし、うつから逃げ出したくて仕方ありませんでした。
 これを「急進期」というのは、精神科に通いだしてから知ったことだったのですが…。
 ここから、現在は「回復期」にいます。この順序は以下に書いていますが、この時期から私は「うつを治そう」、「うつから逃げよう」とは思わなくなりました。それよりも「うつと生きよう」と考えるようになったのですね。
 発症時に既に50代の半ばでしたし、少年時代に愛読していた「どくとるマンボウ」で有名な北杜夫さんは有名な躁うつ病…今は両極性障害と言いますが、老齢になるにつれ躁状態が減り、うつに偏っていったと言う話を聞いていましたし、また年齢を重ねてからの発症は治りにくいと言う話も小耳に挟んだので、治す事に躍起になって自分を追い込むよりも、サラリーマン時代に出来なかった「好きなこと」にフォーカスし、人生を再設計する方が妻に苦労は掛けますが、寧ろ先を心配してうつを悪化させる懸念が減るのでは無いかと考えたのです。

うつ病と戦わずに生きている私の対処法

うつの自覚症状が現れ、治療を開始すると

  1. 急進期
  2. 回復期
  3. 寛解期

の3つの段階があります。特に辛いのは急進期で、通常の病気…例えば風邪なら病院に行って薬を貰えば徐々にでも体調が回復します。が、うつに限らず精神科の病気の多くは通院開始後から更に悪化する時期に入るのが急進期です。これは、一つには「やっぱりか」と言う諦観や「なんで私が?」と言うストレス、そして「どうしよう」と言う不安が重なることと薬の中には遅効性のものがあり、一週間程度飲み続けてようやく薬効がでてくるものがあったり、あるいは薬が合わなかったり副作用に悩まされる事があったりで症状が一気にマイナス(悪い方向)に向かうんですね。
 この時期を医師やカウンセラー、あるいはソーシャルワーカーと相談しながら乗り越えていくことが最重要です。そして、できるだけストレスフリーな環境づくりが大切です。サラリーマンなら顧客や会社からの電話やメールが気になって仕方ないかも知れませんが、無視して構いません(少なくとも、ある程度まともな会社なら、顧客や同僚のコンタクトをブロックしてくれるはずですし)。
 急進期は数ヶ月で収まってきます。短い人なら、もっと短期間なのかな?私の場合は半年ぐらい掛かりましたが。ただ、急進期が終わると「社会復帰も間近だ」と思いますが、ここから回復期を過ごすことになります。回復期はまだまだ不安定な時期です。かくいう私はこの段階にいます。この回復期に入ってしばらくして概ね安定感が見られるようになると医師から「リワーク」を勧められることがあると思います。これは病気や怪我ならリハビリに相当するものです。オフィス環境を想定した場所で作業などをすることで対人コミュニケーションによるストレスや集中して作業する事に心身を慣らしていくトレーニングです。おそらく、どの精神科に行っても、このリワークを実施してくれている業者のパンフレットが置かれていると思いますし、その業者によるプレゼン・説明会の機会を設けているところもあると思います。またもしかしたら、クリニックによってはリワークスペースを持っているところもあるようですね。
 最終が寛解期です。これは癌や白血病と同じく再発リスクの高い精神科の病気にも一般に使われているようです。実際、著名人がうつなどをカミングアウトした時に寛解と再発を繰り返していると言われる事があります。寛解して、再発しなければ最高ですが、癌などと違って、中々数値で再発してきているかリスクが高まっているかを測る方法がないので、寛解後、気分の落ち込みなどから再発したかどうかをまたクリニックで診断してもらわなければならないでしょうし、おそらく(私自身が未経験なので推測ですが)、最初に発症したときや急進期や回復期に味わった得体のしれない不安感に苛まされる事があれば再発したとかんがえるのでしょうね。
 ここでは、それぞれの急進期・回復期での過ごし方を患者目線で書いていきたいと思います。ただ、患者ですから医師とは違いますし、多くの病院・クリニックを渡り歩いた経験もないので、非常に視野の狭い情報になってしまうかも知れませんが、お許しください。

 急進期から回復期を自ら体験して、その状況や課題などを記録した内容は下記から参考にしてみてください。

  1. 急進期(発病〜)
  2. 回復期(症状が落ち着きリワークを勧められる状況になってから)
  3. 寛解期(通院の必要が無くなってから?)